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B砲外し大胆戦略もGに完敗断“今後も右投手なら星野”
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星野“応答”1号
単独首位で迎えた伝統の一戦は、赤っ恥で終わった。巨人の重量打線が噴火しては、さすがの野村監督も手のうちようがない。机上の計算はもろくも崩れ、ベンチで何度も頭をかきむしるしかなかった。 「期待にこたえられへんワ。あぁーあ。力の差は歴然としてるな。柔よく剛を制すでいかなアカンのに、剛で行ったらどうしようもないワ」。 剛の巨人に対抗するには、接戦の中で心理戦に持ち込むこと。大胆なオーダーは、その1つでもあった。3番今岡、4番新庄、5番ジョンソン。そして不振のブロワーズに代わってなんと8番には星野を起用した。チームに競争原理を徹底するため、そして2億2000万円助っ人に反骨心を呼び起こす究極の選択が、この決断だったのだ。
しかし新打線は空回り。初回に坪井、田中の連続二塁打で先制したが、1死三塁で新4番新庄は投ゴロ。ジョンソンも投ゴロに倒れてガルベス粉砕の機を逸した。このシーンをブロワーズはどんな思いで見ていただろう。しかも代役星野は2回にソロアーチ。「自分なりにうまく打てたと思います」と星野。4打席目にもヒットを放って2安打と責任を果たした。メジャーのプライドを傷つけらた助っ人は、しかし恐ろしいほどクールに受け止めていた。 「スタメンを外れる予想はしてなかった。でもビックリもしなかった。外れることに怒りもない。監督がベストのラインアップを決めることだからね。自分は仕事をしてないし、反論もしない。憤りもないよ。監督とのコミュニケーションは取れているし、議論することもない」。 ブロワーズ外しが本人とチームへの刺激を狙った策なら、対巨人には杉山先発の奇襲を仕掛けた。しかしこれが大失敗。2回に清原に7号ソロを浴び、3回には仁志、清水、松井に3連打を浴びてマウンドを降りた。杉山でいけるところまで行って、後は継投…ローテーションの谷間を生める最善の策は、パワーの前に屈してしまったのだ。
投打の奇策が機能せずに、好調の巨人を倒すのは容易でない。しかし、その時、その状況に応じて、そして先を見据えて策を講じるのが野村野球。だから決断に後悔はないのだ。「星野はようやった。代役というより、総合力ではブロワーズより上やろ。(ブロワーズは)守れない、打てない、走れないですから。今後? 左投手の時は考えるが、右の時は外す」。 野村監督は、ブロワーズにも容赦なく接することを明言した。メジャーのプライドがあるなら、自力で這い上がってこい。それが野村監督の無言のメッセージだ。「覚悟に勝る決断はなし」。あえて飛車抜きで戦うことを決めた野村監督の決意に、ブロワーズとナインがどう反応するか。首位の虎には、もう少し余裕がある。 <写真上=もう代役じゃない! スタメンサードに入った星野は2回にライトスタンドへビックリ1号を放ち堂々の生還 写真下=ついに出番の訪れることのなかったブロワーズはバット片手に寂しくロッカーへ> 奇襲先発…杉山3回KOホロ苦初マウンドタテジマ初登板はほろ苦かった。西武から移籍したばかりの左腕杉山が先発したが、3回もたずにKO。移籍初黒星を喫した。 「球種を知っているだけに、ヤマを張られてたのかなあ」。2回、西武時代の同僚清原に同点ソロ。真ん中に入ったスライダーは、ピンポン球のように左翼席中段まで運ばれた。 さらに、3回、2巡目の巨人打線に怒濤(どとう)の3連打を浴びる。1死後、仁志に二遊間を抜かれ、清水に右前。松井にはフォークを右前に運ばれ、2―2の同点とされたところで降板した。「疲れというわけではないけど、球が甘くなってしまった」。95年以来、4年ぶりの先発も、2回1/35安打3失点で敗戦投手に終わった。 「評価は難しい。1、2回もってくれればと思っていたけど」。野村監督は、杉山の次回登板の起用法について、明言を避けた。試合前のミーティングで、昨年西武で一緒だった巨人マルティネスの攻略法の解説を依頼。杉山の的を得た説明に「しゃべりがうまい。しっかりしてるよ」と評価したが、マウンドでその頭脳は発揮されなかった。 4番・新庄、清原3発にボウ然ノムさん…新庄責めず
5万3000観衆と同じように、ぼう然と見上げるしかなかった。8回、巨人の4番・清原が左翼ポールを巻いて特大の9号ソロを打った。西武時代の1992年(平4)7月28日、ロッテ戦以来、プロ2度目となる1試合3ホーマー。長嶋監督がベンチを飛び出し、帽子をとって出迎えた。「3発には驚いた。広い甲子園でみごとだったよ」。センターで、虎の新4番打者・新庄は清原が放ち続けるアーチをただ見送るしか術(すべ)がなかった。 「清原がよく打った? うん…」。ゲーム後、新庄は苦笑を浮かべながら軽くうなずいた。この日の4番対決はハッキリとコントラストを描き出していた。 長嶋監督が4番にこだわった清原が、甲子園で爆発した。2回に杉山から同点とする7号ソロ。5回には田村から8号2ランを中堅・新庄の頭上を超える特大弾をバック・スクリーンにたたき込んだ。一塁ベースを回って今季初のガッツポーズも作った。そして8回に竹内から3本目の9号ソロ。甲子園で起きた「清原コール」に帽子をとって深々と頭をさげた。 「とにかく打ててよかった。監督、チームに迷惑をかけたが、使ってくれて感謝しています。きょうは阪神との大事な初戦だし、気合が入っていました」。清原はかみしめるように話した。4番の意地、プライドにかけては日本球界でもっともこだわる男だ。その清原がPL学園時代に暴れまわった、自身の原点である甲子園球場ですさまじい働きをした。 一方、今季初めて4番にすわった新庄は、巨人ガルベスの前に4打数で内野安打1本、主砲の条件である打点はなかった。「初4番の感想? 普段と変わらんですよ」。新庄は少し悔しさをにじませた。「ガルベスの球は(上に)上がらん。シュートが沈むからボールの上っ面をたたいてしまう」と反省を口にした。 野村監督は「最初からうまくいかない。仕方がないでしょ。気分よくやってくれればいい」と話した。 勝者と敗者。ともに4番の大役を仰せつかった清原と新庄。同じ背番号「5」を持つ2選手のセリフは奇しくも同じだった。「また明日、ですね」。大混戦のセ・リーグの戦いの中、新しい物語が始まった。 <写真=ム、ムネン! 6回2死満塁から矢野の三塁ゴロで三塁走者・新庄は本塁憤死。初4番は不完全燃焼に終わった> J砲、お久しぶり12号YGマークを前にすると、青い目がらんらんと輝く。ジョンソンが9回、バックスクリーンへの12号ソロ。巨人戦5発目となる特大アーチで、欠場した相棒ブロワーズの穴を少しだけ埋めた。 「フォームがどうこうとかは考えずに、とにかく強く叩こうと思っていた」。ガルベスのインハイ直球を捕らえた。5月19日以来となる豪快な1発。「明日につながればいいね」。56打席ぶりの本塁打に、久しぶりの笑顔を見せた。このノー・アーチの不振の間に、3試合、スタメンから外された。この日は兄貴分のブロワーズがスタメン落ち。助っ人のメンツが丸つぶれとなるところで、何とか意地を見せた。 「チャンスの打席で打てなかったことが悔しい」。初回2死二塁、3回2死一、二塁で、いずれも内野ゴロに倒れた。まだまだ完全復調とはいかない。それでも、得意の巨人戦での1発が、明るい兆しにはなるはずだ。 「坪井&秀太」でコツコツ先制も坪井&秀太の新1、2番コンビが初回、先制点をたたき出した。まずは坪井がガルベスに襲い掛かった。146キロの内角直球を打ち返すと、痛烈なゴロは一塁手清原のグラブを弾く。ボールがファウルグラウンドを転々とする間に二塁を陥れた。続く田中は2―1から見事なバスターを成功。叩きつけた打球はワンバウンドで清原の頭上を越え、連続二塁打。たった2人で先制点をたたき出した。 しかし、手放しでは喜べない。「その前のバントですよ。ちゃんと決めないといけないのに」。田中は送りバントを2球ファウル。ヒッティグに切り替えて、二塁打としたが、つなぎ役として起用されている以上、バント失敗は大減点。坪井もその後3打席は凡退。昨年4割9厘と打ちまくった巨人投手陣に、今年は2割2分2厘と封じこまれている。 山崎、悔し2失点前回4日のヤクルト戦(神宮)で涙の勝ち星を挙げた山崎も打たれた。先発も有力視されていたこの試合だったが中継ぎで準備。しかし杉山が不調で早々と3回に出番が回ってきた。その回と4回は締めたが5回、先頭の仁志、清水に連打されたところで降板。結局2失点2自責点となってしまった。山崎は「初めはよかったんだけど…」と結果を出せなかったことに悔しげな表情を見せていた。 田村2試合連続被弾田村が2試合連続の被弾となった。2点のビハインドとなった5回、無死二塁のピンチの場面で登板。松井は中飛に打ち取ったが4番清原にバックスクリーンに打ち込まれてしまった。前回の登板だった5日のヤクルト戦(神宮)でも古田に今季初の本塁打を浴びており、右の強打者に2試合連続での被弾だ。仕事ができなかった田村は「見ての通り。何も言うことはないです」と言葉少なだった。 (28勝25敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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