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3連敗「大阪で出直しや」“中4日”藪痛恨の黒星
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“藪は限界…まさかホームランとは…野球は難しい”
周囲のだれもが藪の限界を察知していた。しかし野村監督は動かなかった。2―2で迎えた7回2死一、三塁。打席は左の清水。これまでなら遠山か田村の両左腕につなぐ場面だ。シンでとらえられ始めた藪は、アップアップ状態にも見えた。それでも野村監督は藪に託した。覚悟の続投。結果は虎ファンの祈りもむなしく、勝敗を決する3ランホーマーだった。 「藪は限界が見えとったが…ホームランとは考えなかった。打たれてから代えようと思っていた。ウチのエースでもあるし、勝ち越されてからと…。それなら本人も納得するだろうからね。しかし、まさかホームランとは…。野球は難しいよ」。 野村監督は交代時期を思案しながら、あと1本だけチャンスを与えた。それがホームラン。エースのプライドを考慮したことが、結果的には裏目に出た。 確かに代え時を見極めるのは容易ではなかった。川尻が登録抹消されるなど先発陣は火の車。この日の藪も、今季初の中4日スクランブル登板だった。3回までは無安打。5回に二岡に1発を浴びたものの6回を終えて2失点。意気に感じて中4日を受け入れたエースに、何としてでも白星をプレゼントしてやりたかった。過去8度の中4日登板では5勝3敗。去年も1勝0敗、97年には完封勝利も挙げている。そんなデータも後押ししていた。
「中4日の影響? さあ。関係ない。調子は? 普通」。ファンの期待にこたえられなかった藪は、多くを語らなかった。悔いが残るとすれば、清水に投じたフォークのすっぽ抜け。しかし女房役の矢野も「中4日は影響ない。悪くなかったでしょ。(清水には)うまく打たれた」と、かばった。「中4日は前から決まっていたこと。前回は93球で降りているんだから、影響あるわけない。ヒットで1点取られたら、代えようと思っていた」。八木沢コーチも、打たれたことは決してとがめなかった。それがエースへの信頼感。目先の勝利より、長いシーズンを見据えての続投だったのだ。 「また大阪で出直しや。思わぬ貯金も出来たやないか。5月が終わって貯金できたのは上出来。阪神にとって、これからが大変な時期になるよ」。 野村監督は振りかえらず、明日を見つめた。5月は13勝9敗。首位中日に2.5差は、まだまだ射程圏だ。3連敗したからといって、慌てる必要はない。ゴールはまだ、はるか先にある。この屈辱を藪がバネにしてくれる日がくれば、それでいい。 <写真=人に連敗した野村監督だけど、大阪で出直し宣言。首位中日とはこれぐらいしか離されていないポーズ?> 新庄、一瞬の勝ち越し弾完ペキフォーク撃ち
ダイヤモンドを1周した新庄はホームベースに右手でそっと触れた。「審判が汚れをふかなくていいようにね…」。不思議な行為をそう説明したが、その姿は会心の1発を打たせてくれた野球の神様に感謝しているようにも見えた。同点の6回、左翼スタンド上段に放った6号ソロ。勝利には結びつかなかったが試合を面白くした特大弾だった。 新庄自身「いい投手ですよ」と評する上原のフォークボールを見事に打った。125キロの同じ球を見逃した後、カウント1―0からの2球目。同じフォークを完ぺきにとらえた。「初球をいい感じで見逃せたんで、その感じで、と思って」。新庄独特の表現で話したが、とにかく、素晴らしい本塁打だった。 初回にもチャンスを広げる中前打、3回も一直併殺となってしまったがいい当たりだった。これで上原に対しては23日の8回戦(甲子園)を含め8打数4安打の5割。プロの厳しさを教えてやっている格好だ。また6回の守備では巨人後藤の当たりを目測を誤り、最後はジャンピング・キャッチしてしまう場面もあって何をやっても華のあるところも見せた。 3連敗で最後にスローダウンした阪神5月の快進撃だが打撃面で支えてきたのは他でもない新庄だ。86打数32安打の3割7分2厘は5月度の打率3位にランキング。5本塁打、19打点と頼れる3番打者ぶりを発揮して月間MVPの候補に食い込んだ。首位打者争いのベストテンでも9位をキープしている。 何より首位を争う連日の大事な試合で、新庄がしっかりした仕事ができるようになったこと自体が阪神にとって計り知れない。風薫る5月に見せた実力が今後も発揮できれば、新庄と阪神の夏は例年のように寒くはならない。 <写真=新庄は6回、勝ち越しの特大の6号ソロホーマーを放ったが…> ブロ砲、一転ブレーキ4戦連発ならず…。前日まで3試合連続アーチを放っていたブロワーズが、この日は一転してブレーキとなった。初回1死一、二塁の好機で、ボールになる外角スライダーに手を出して空振り三振。4打数2三振と快音は聞かれなかった。「藪がいいピッチングをしていたのに、申し訳ない」。同じく2三振を喫したジョンソンとともに、試合後はガックリ。 田村また無安打救援復活田村がノーヒット・リリーフを継続だ。7回2死、清水に3ランを打たれた薮に代わって、2番手で登板。松井を三邪飛に仕留めると、8回も清原三振、高橋一ゴロと完全救援を演じた。「きょうはよかったんじゃないですか」。故障から復帰後、4試合に登板して、4イニングを無安打。好調遠山と並ぶ強力な左殺しが2枚揃った。 秀太、スタメンで奮闘前日、走守で野村監督の怒りを買った今岡に代わって、田中がプロ2度目の遊撃スタメン。6回無死満塁で、清原の三遊間の打球を軽快にさばき、併殺に仕留める好プレーを見せた。打っても、1安打1四球。「(巨人)二岡はホームランを打ってますからね」。同い年の“ライバル”には見劣りするものの、渋い働きは合格点だった。 坪井、今季初の犠飛坪井の今季初犠飛で先手を取ったのだが…。5回1死三塁で、坪井の打球はライトへのライナー。右翼高橋の正面をついたが、三塁走者を迎え入れて、先制点を奪った。「1アウト三塁なので、とにかく思い切りいこうと思っていました。最低限の仕事ですけど、その仕事ができてよかったです」。しかし、勝ち越し機の7回2死二塁では遊飛。この巨人2連戦は無安打に終わった。 (24勝20敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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