Tigers

98年タイガース戦跡



第82戦(7月31日)大豊連発!梅雨明け4連勝

甲子園
巨 人
阪 神
  【勝】藪 【敗】ガルベス
  【本】大豊6号(ソロ=ガルベス) 大豊7号(3ラン=ガルベス)
     坪井2号(ソロ=ガルベス)

大豊
 驚弾を吸い込んだライトスタンドが、総立ちになった。広島3タテに続き、巨人も沈めた豪快アーチの着弾点は、何と右翼中段席だ。逆風も問題にしないケタ外れのパワーとここ一番、勝負所での千金3ラン。しかも、2打席連続だ。これほど華ある芸当でファンに訴えられるのは、この男しかいない。大豊泰昭。堂々ベース一周した大きな背中にファンの絶叫と拍手が入り交じる。4連勝だ。宿敵G倒だ。甲子園4夜連続の六甲おろしだ。

 すべてが完璧だった。2点リードの5回1死一、三塁。餌食はガルベスの内角直球だった。「(浜風が強い)この球場にラッキー(本塁打)はないからね。完璧に捕らえるしか…。でもオレも信じられないよ。きょうだけは素直に、自分をほめてやりたい」。移籍2度目のお立ち台。顔を真っ赤にした大豊も興奮し切っていた。直前の3回にも、“流し打ち”で左中間を突き刺した。6月12日の広島戦(甲子園)、9回小林幹から放った劇的な代打同点3ラン以来の6号ソロ。約1カ月半ぶり、忘れかけていた放物線の感触は、強烈な2打席連続弾となって残った。

 「開幕から迷惑をかけて…。落ちる所まで落ちて、今までのチームの連敗はボクの責任だよ。これから必死に戦って返したい」。最下位低迷の責任は痛いほど感じていた。スタメン落ち、そして腰部挫傷で1カ月の二軍生活の屈辱。だが必要と請い、自らの不振に非難を浴び続ける吉田監督の悩む顔は、見るのがつらかった。

 「ゴメンなあ、大豊。こんな使い方で…」。ある遠征先。ナイターを終え、考え込んで一人食事する大豊に、吉田監督は声をかけた。「何言ってるんですか、監督。今の自分は結果が出せてない。チームの勝ちが優先です」。大豊は立ち上がって言った。気遣いはうれしかった。だが胸は痛んだ。「そんなことを監督に言わせてはいけないんだよ」。出来るのはやっぱり練習だけ。単身住まいのホテル8畳の自室で振り込んでの「この日」だった。

 「大豊は久しぶり? いやいや久が2回つく久々ですわ」。吉田監督も思わず苦笑い。4回には村田真の一直を腕を伸ばして好捕。5回には足を目一杯伸ばして併殺を完成させ、攻守とも文句なしのヒーローだった。これで7月4連勝の締めくくり。「8月もこういう形で勢いをつけていきたい。2押し、3押し、やってやってやって脱皮するしかない」。吉田監督に8月反攻の力がこもった。

<写真=もうたまらんわ〜! G倒で4連勝ですわ。主役はもちろん2ホーマーの大豊、この日のファンもナインも55番が“神様”に見えました>

(32勝50敗)


[第81戦へ]  [第83戦へ]
[98タイガース戦跡目次] [阪神情報]

Home