

「人情味あふれる親分肌」/番記者メモ

北陽―早大を歩んだエリートの塊のような男。猛虎日本一の立役者。プライドが人一倍高く、野球では理想が高く、自分の理念を譲らない―。そう言うと非常に取っ付きにくい人物のように思えるが、人間の中身はそうではない。
顔は松竹新喜劇で天才芸人といわれた藤山寛美似で、現役時代から人気があった。親分肌で後輩の面倒見もいい。お好み焼きが好きで、コテコテの関西人には好まれる人情味あふれるキャラクターだ。
ただグラウンドでは、完ペキ主義者でもあり、ファイティングスピリット、勇敢なプレーをみせた。実は高校時代は4番で投手をこなしたこともあり、最後の夏となった大阪府予選では血マメをつぶしても、針とお灸をしながら投げた。阪神の二塁手としてはベースカバーに入った際、絶対にスライディングを避けなかった。
79年度のドラフトでは阪神、阪急、南海、近鉄、ヤクルト、西武の6球団が重複。それでも意中の阪神から指名を受けたのは、岡田の天賦の才能に隠された強運だった。愛するタテジマのユニホームを脱いだ93年オフも、決してスムーズな引き際ではなかった。それも野球にこだわった野球小僧、岡田なりのロマンだった。【編集委員・寺尾博和】

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