| 第56戦 (6月14日) |
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5戦連発で5連勝の夢ストップも…新庄、2安打&強肩で魅せた
3万3000観衆が沸いたスーパー返球
新庄の連続アーチが「4試合」で途絶え、虎の進撃までもストップした。今季7度目のゼロ封負け。踏みとどまっていたセ・リーグ最速の30敗目に到達してしまった。敗戦の重苦しいムードに包まれた試合後の選手通路。うつむいたままの新庄は、口を固く結び悔しさをにじませた。チームが勝てば、話すこともある。だが、負ければ…。 この日、打てば11年目で自身最多となる5試合連続アーチがかかっていた。それを見たい…。夢を抱いて3万3000人のファンがかけつけた。しかも甲子園今季28試合目での観客動員100万人突破。ドリームアーチが出ていれば、最高の「御礼1発」になっていた。 だが、1発がなくてもファンを魅了するのが新庄だ。4打数2安打で気を吐き、自慢の守備でも華麗なプレーを披露した。それが意地でもあった。 序盤3回、背番号「5」の強肩がうなった。2死二塁からゴメスの中前打に猛チャージ。素早く捕って本塁へ矢のような返球。やや三塁側にそれ、ショートバウンドしたが、二塁から突っ込んだ李を、矢野が悠々とタッチアウトする。「僕の中途半端な送球を矢野さんがうまく捕ってタッチしてくれた。矢野さんのファインプレーです」。試合中、広報を通じて、そう謙そんした。が、1失点を食い止めた美技は、ソロアーチ1本の価値があると言っても過言じゃない。虎党から沸きあがる「新庄コール」が、それを物語っていた。
3割きっちりキープ常々「意識してない」と言い続ける打率3割ラインは、2本の左前安打でキープした。13日の3割ジャストから4厘上昇。「バットのヘッドを重く使うことしか考えていない」が今の新庄の口グセだが、ここに打撃開眼のポイントがある。ヘッドを振り抜くイメージを新庄は「バットをムチのように使うこと」と言う。930グラムのバットをムチのようにしならせる。その意識で「タイミングがゆったり取れるようになった」と柏原打撃コーチも認める。 この日、野村監督はてこずった中日の先発山本昌に「どうも技術がいる投手はダメだな。遅い球の打ち方が分からん…」とボヤいた。だが、4試合連続の2ケタ安打が止まっても4番のバットは勢いを失っていない。むしろ、つながいりを欠いた虎打線では、新庄ばかりが目立った。「調子がいい」と自認する主砲のバットが、明日への希望だ。1発出ればチームは勝つ――。再び虎に勢いをつける新庄の1発、そして笑顔が見たい。 <写真上=肩で魅せたぜ! 3回、ゴメスの中前打で新庄はスーパー返球 写真下=矢野が二塁走者・李を待ち構えるようにブロックし、タッチアウト>
吉田豊“奇襲”先発も…守乱で失点、白星ならず奇襲は成功した。しかし、白星にはならなかった。敗戦投手にはなったが、意表を突いた先発吉田豊が、5回2失点。先発としての責務を果たしたが…。 ローテーション通りならば、藪か福原。あるいは、ハンセルの登録即先発か? そんな見方をよそに、仰天の野村用兵だった。今季リリーフ専門だった吉田豊が初先発。中日サイドも「少しは可能性があるとは思っていたけど…」(田中チーフスコアラー)と驚く先発起用だった。 「先発というのは意識せず、中(リリーフ)と同じ気持ちで投げました。一人ひとりアウトに取ることだけ考えた」。10、11日の札幌遠征中に先発起用を言い渡されていた吉田豊は、周囲の驚きに反発するように、粘り強い投球を見せた。5回で2点を失ったものの、いずれも守備の乱れがからんだ失点。「吉田豊は責められないでしょ」。野村監督も及第点を与えた。 この吉田豊の先発抜てきは、(1)福原と藪を16日からの巨人戦に回す(2)吉田豊の好調(3)吉田豊の対中日の好相性、などの理由によるもの。吉田豊は中日戦に4試合リリーフで登板し、5回2/3無失点、11三振を奪っていた。だが、次回の先発チャンスとなると、八木沢投手コーチは「分かりません」と言葉を濁した。 広沢、攻守に精彩なし…2軍落ち八木と入れ替え
ベテラン広沢が虎党から痛烈なバ声を浴びた。「バカヤロー、広沢!」。「帰れ!」。ざわめくスタンド。頭を垂れる広沢。阪神ファンの怒りは、攻守に精彩を欠く広沢に向けられた。 緩慢な動きで2点目献上1点リードされた5回1死一、三塁。井端の打球は前進守備の広沢の前へ。三走の中村がホームへ突っ込むが、広沢は一塁ベースカバーに入った平尾へパス。微妙なクロスプレーよりも、確実にアウトを取りにいった広沢の判断に、珍しく虎党が切れた。 「広沢に聞いてよ。ランナーは(足の遅い)中村だったしな」。ため息をついたのは平田守備コーチ。「オレに言わすな」とコメントを避けたのは伊原コーチ。通常ならホームでアウトのケース。しかし肩に不安のある広沢だけに、その判断は責められない。「ノイローゼじゃないの」(野村監督)。首脳陣も、そのもどかしさに言葉を濁すしかないのだ。 チャンスでは見逃し三振もっとも、虎党の怒りは守備だけでなくバットにもあった。4回2死一、三塁で山本昌の内角真っ直ぐを見逃し三振。その直後の消極的な守備だっただけに、ヤジの勢いは増した。「投げようと思ったけど、間に合わないと思った。ブーイング? すごかったね」。 期待された打撃でも広沢は3打数0安打。13日、快勝ゲームの一塁・根本が攻守にハツラツとしていただけに、その緩慢さがクローズアップされた格好だった。広沢は試合後、八木との入れ替えで今季初2軍落ちが決定した。 <写真=4回裏2死一、三塁、一打逆転のチャンスで見逃しの三振に倒れた広沢は、バットを宙に放り投げて悔しがる> 2死球の藤川、2軍落ち2番手藤川が7回、ゴメスにこの回2つ目の死球をぶつけ、あわや乱闘となる騒ぎを招いた。この2死球が2失点につながったが藤川は、死球自体には悪びれることなく「球が中に入って、失敗しないように、厳しいところを突こうと意識していた。打たれて損するのは自分なんですから」。プロ初の騒動にも負けん気を見せたが「コントロールは課題です」と反省。なお、15日先発のハンセルと代わって、藤川が2軍落ちする。 吉野(7回1死満塁で登板したが、立浪にダメ押しの左前2点打)「打たれたのはスライダー。その前の球(ショートバウンド)で、内角の厳しいところを突いておかないといけなかったんですけど」 吉田剛、奮闘の2安打左の山本昌に対して、8番遊撃でスタメン起用された右の吉田剛。「あれが僕の持ち味ですからね」。5回1死から三遊間を破る当たり。7回1死一塁の場面でも、ファウル3球で粘るなどした後、カウント2―2から詰まりながらも右前に運んだ。2打数2安打もチームの勝ちにはつながらず、試合後は残念な様子だった。 (25勝30敗1分:5位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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