第40戦 (5月23日)
spacer
Home
spacer
戦績目次
spacer
阪神情報
spacer
spacer
前の試合へ
spacer
次の試合へ
spacer
spacer

魅たぞ竜倒…ハートキー殊勲

延長14回、1死満塁から中前打

 サヨナラのヒーローがゲーム後も出血大サービスだ。延長14回、ハートキーが来日初のサヨナラ打を中前に弾き返す。星野中日の連勝を止め、チームに連勝を運んだ瞬間、ちょっとした事件が…。歓喜の輪の中で矢野にヒジ打ちを食らい、なんと鼻血がタ〜ラタラ。でもこれもうれしい出血ですよね。阪神では11年ぶりとなる2試合連続の1―0薄氷勝利に、野村監督は「これが阪神野球や!」。

5月23日・甲子園 (延長14回)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
中 日
阪 神
1X
【勝】葛西【敗】岩瀬

手荒い祝福に鼻血ブ〜「こんな痛み大歓迎」

image

 試合後のヒーローは、血まみれになっていた。それも鼻血ダラダラ鼻血ブー。鼻紙を右の鼻に突っ込み、ベンチをさまようハートキーの姿に新庄も和田もみーんな大爆笑だ。一塁付近に出来たサヨナラの祝福。抱きつきに行こうとした矢野の左ヒジが空転して、高ーい鼻に痛烈ヒットしてしまったのだ。

 「日本でサヨナラしたらこうなるんやって、厳しさ教えたったんや!」。“犯人”の矢野も大阪弁丸出しで満面笑顔の大興奮。1―0、しかも中日の連勝を10で止めるサヨナラ大激勝だ。何とか鼻血を止めて本拠初のお立ち台に登ったハートキーも興奮しきっていた。「強烈な左フックだったよ。でもこんな痛みなら大歓迎。もう感激でいっぱいだ」。

 ハイライトは引き分けまであと1イニングと迫った14回裏だった。先頭今岡の左前打などで作った1死満塁のチャンス。H砲が守護神ギャラードに襲い掛かった。「自信のある真っすぐと思った」。その読み通り、初球146キロ直球をジャストミート。快音を残した白球は、中前へ抜けて行った。劇的過ぎる2試合連続の1―0勝利にマンモスはもう総立ち。「これが阪神野球! これしか勝ち目なし!」。先発星野伸ら投手陣がしのぎにしのぎ、僅差で勝った理想試合。野村監督の声も珍しく上ずった。

image

 苦しい展開だったからこそ、喜びも倍増する。中日先発バンチの前に、12回までわずか3安打。3番のハートキーも5打席音なしで戦犯になりかけていた。だが試合前「きょうは絶対ヒーローなる! 見ていてくれ!」と誓った出陣。5人の外国人選手が2軍降格で、1軍は途中入団の自分だけとなり、期するものがあったのだろう。「でもまさかこんなスリリングな展開になるとはね」。予告した本人にすら予想外のエンディングだった。

 名前は映画「13日の金曜日」のジェイソンを連想させてちょっぴり怖いが、根は愛嬌(あいきょう)の塊だ。試合直前必ず食べるのは、選手食堂の「しょう油ラーメン」。「アメリカにはない味だし、結構ハマってるんだ」。実はこれ、甲子園デビュー戦となった12日、猛打賞3打点の活躍で巨人を倒した時以来の縁起もの。しかも麺を食べた後、残り汁を白御飯にブッかけ、ぺロリとやって出陣する。鼻血のお立ち台といい、本当に憎めない男だ。

 「サヨナラ打は(97年)メッツ時代にパイレーツ戦で打ったのが一番印象的。そう、あの時も延長11回だったんだ」。3回からは初のセカンド守備も軽快にこなし、そのバットで借金は3。ラストワン助っ人の意地が、虎を逆襲気流に乗せた。

<写真上=延長14回の劇的ドラマの幕切れはちょっと痛い歓喜の祝福! 主役のハートキー(中央)もナインの渦に巻き込まれてしまいました 写真下=矢野の左ヒジが当たったハートキーはトレーナーにタオルで鼻血をふいてもらう>

スタメン
阪 神中 日
坪 井種 田
田 中井 端
ハートキー
新 庄ゴメス
広 沢立 浪
矢 野山 崎
桧 山福 留
今 岡中 村
星野伸バンチ
データセンター

 ▼阪神が延長14回、ハートキーの中前打で1―0のサヨナラ勝ち。今季阪神のサヨナラ勝ちは4月27日の広島戦(甲子園)で延長10回、佐々木の二ゴロの間に矢野が好走塁を見せホームインして勝って以来2度目。このときは、藪が広島打線を完封、1―0で勝ち首位に立っている。

 ▼延長14回の完封勝ちは1997年(平9)9月6日、横浜が進藤のサヨナラ打で阪神を1―0で下して以来3年ぶり。21日の横浜戦と続けて無失点の阪神は4月16日の対中日(湯舟)、同18日の対巨人(福原)に次いで今季2度目の2試合連続完封勝利となった。


新庄“美技連発”で貢献

 新庄もサヨナラ勝ちに機嫌が良かった。「ハートキーは絶対に打つと思っていました」。延長14回裏。1死満塁。ハートキーに続くのは4番新庄。打席で出番を待っていたが内心は勝利を確信。「絶対に僕まで回ってこないだろうなと思っていましたから」。それでも好投バンチから粘り強い? 内野安打を2本放ってチームに貢献して笑顔をみせた。バットは派手ではなかったが、フィールディングは相変わらずのゴールデングラブ賞もの。11回関川の打球をフェンス際でジャンプ1番! 14回には同じ関川の前に落ちそうな打球を、グラブですくうようにしてキャッチ。ロッカー手前で「(あの守備が)大きかったでしょ」と、新庄スマイルをみせていた。

星野、自画自賛の133球

11年ぶり2戦連続「1―0」完封

image

 祈りは通じた。マウンドを降り、ベンチで信じ続けた5イニング。待ち望んだサヨナラの瞬間は延長14回に訪れた。ウインドブレーカー姿の星野伸はとびきりの笑顔で歓喜の輪に飛び込んだ。自身の1カ月ぶりの白星はお預けだ。それでもチームの勝利が何よりの喜びだった。

 阪神が2試合連続の1―0勝利は、1989年(平元)以来、実に11年ぶり。その“快挙”を呼び込んだのは、星野伸の快投だった。5回2死から山崎に左前打されるまでパーフェクト投球。その後も9回、井端にバント安打されただけの2安打に封じ込んだ。10連勝中の竜打線の4番ゴメスにはフォークを有効に使って3打席3三振に仕留めた。9回133球の“完勝劇”だった。

 「変化球もストレートも低めに決まった。自分の投球自体は満足しているよ。矢野がうまく内角をファウルさせて外角勝負でリードしてくれたね」。細腕左腕のホオが緩む。チームは勝利をつかみ、自分自身も同じ失敗を繰り返さなかったのだからそれも当然だ。前回、中日と対戦した4月30日(ナゴヤドーム)。4回、突如6連打され6失点KO。「あの光景は今でも覚えてる」と振り返る。それを貴重な反省材料としたが「悪かったら投げ急いだと言われ、よかったらテンポがいいと言われる。でも、それが自分の(投球の)リズムなんだから」と170勝を築き上げた投球スタイルの信念は変えなかった。前回は狙い打たれた変化球を丁寧に低めとコーナーに投げ分け、8奪三振、内野ゴロは実に14個を数えた。

 「星野がよく投げてくれた。よく抑えた。130球を超えているのは知らなかった」。野村監督も左腕エースに最敬礼だ。勝ち星はつかなくても、星野伸にとっても、チームにとっても1勝以上の重みがつまった白星だった。

<写真=芸術に気迫が加わり、こんな見事なピッチングになりました。9回を完ぺきの星野伸です>

いい“虎の救援部隊”

伊藤→吉野→葛西

 野村監督の言う「阪神野球」を、救援部隊が完結させた。最後を締めた葛西は今季初勝利だ。12回1死からマウンドに上がり、2回2/3を1安打に斬った。見せ場は13回。1死一、二塁のピンチにカウント2―1から中村をシンカーで遊ゴロ併殺に仕留める。サブマリンが“真価”を発揮して、ハートキーのサヨナラ打につなげた。

 「どんな状況でも最後まで投げるつもりでいました。今季、あまり点を取られていない? そんなことを言うと取られるじゃないですか」と目を細くした。プロ入り初めて一塁に入った21日の横浜戦。セーブこそあげたものの、何となく疲れを感じながらのマウンドだった。「昨日(22日)は何もせず休んだんです。それが効きました」。

 星野伸から締めの葛西へ。間を取り持った伊藤、吉野も出るのは威勢のいい言葉ばかり。10回から2イニングを投げた伊藤は「つないでいくしかないでしょう。それがボクたちの仕事ですから」と破顔一笑。12回に井端1人に投げた吉野も「左の代打を出されないようにボクが呼ばれたのでしょう」とルーキーながら持ち場を守った。

今季4度目1―0

データセンター

 ▼阪神は21日の横浜戦(横浜)でも8投手のリレーで1―0勝利。2試合連続1―0での完封勝ちは、ヤクルトが1996年(平8)6月19日に阪神、同22日に中日を1―0で下して以来、両リーグを通じて4年ぶり。阪神としては89年6月27日に中西、同29日に御子柴が中日を1―0で下して以来11年ぶり。また延長14回の完封勝ちは1997年(平9)9月6日、横浜が進藤のサヨナラ打で阪神を1―0で下して以来3年ぶり。阪神は今季4度目の1―0勝利となった。なお阪神の連続完封は今季2度目。4月16日の対中日(湯舟で2―0)、同18日の対巨人(福原で5―0)で記録している。

(18勝21敗1分:6位)


2000年タイガース戦績目次阪神情報
Home