作戦勝ちで選手に優越感
同点でも全く脅えず
試合が始まる6時間半前に、すでに甲子園には大勢の人が集まった。外野席の開門は、実に午前11時50分。阪神ファンの期待の大きさを、開門の異例の早さが示していた。
その地元ファンの目の前で、野村阪神は理想的な試合を演じ、宿敵巨人をやっつける。「えっ、巨人に3連勝か。まあ、そういうこともあるわい」。ベンチでは殺気立った様子をのぞかせていた野村監督が、試合後は会心の表情を浮かべていた。
1回裏、坪井が歩いた。和田の初球にエンドラン。この作戦が決まったとき、阪神の勝利が見えた。「シュート気味の球を、和田がうまく打った。それにしても巨人はなぜこんなにも無防備なのか。開幕カードでバスターを仕掛けられたりして苦い経験をしたはずなのに、警戒心がまったく見えなかった」と、本紙評論家の一枝修平さんはいう。ジョンソンの2点適時打でアッサリと先制した。
“作戦勝ち”が、選手に優越感をもたらしたのだろう。1度は同点に追いつかれたが、6回にまたジョンソンが本塁打。追撃を受けても、阪神には一向に脅えた様子などなかった。満員の甲子園で恐る恐る試合を進めているのは、巨人の側であった。
「メイからどうつないで組み立てていくか、この日の試合はそこがポイントだ」と本紙評論家の森祇晶さんは見ていたが、そこでも阪神は見事な継投をやってのけた。「今日はメイは125球と限定していた。球数の多い投手だから6回くらいから2人挟んでリベラに、と考えていた。ところが6回が終わって117球。あと1回行けるか、と尋ねたら、行くと言ってくれた」と八木沢コーチは話した。この1回が結果的には大きかった。
メイは7回、1死二、三塁のピンチを招くが、清原、高橋を打ち取って0点に抑える。「福原は二岡からの打順だったから助かった一面がありましたね」と八木沢コーチ。8回は福原が2三振を奪って三者凡退。9回はリベラが堅実に締めくくった。
これで対巨人戦は3勝1敗。開幕戦で負けたガルベスにも勝った。「巨人の状態は悪い。清原で打線が分断されている」と一枝さん。もちろん、その裏には、快打連発のジョンソンほどには目立たなかったけれど、阪神投手陣の奮闘と、綿密な計算で丁寧な継投をしたベンチワークが隠されているのだった。
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