森さんもうなった 「つなぎの攻め」
2回6点…読み的中
悲観的な材料ばかりが際立っていた開幕第2戦が、予想外のうれしい展開となって、野村阪神は会心の初勝利を収めた。TOP野球のテーマとも言える「つなぎの攻め」が全開。本紙評論家の森祇晶さんも「正直な所、巨人が3連勝するより阪神の1勝の方が難しいと考えていたのだが、阪神のベンチワークと選手の闘争心が鮮やかな勝ち星をもたらしたね」とうなった。
2回だった。巨人桑田からブロワーズ中前打、ジョンソン四球で好機が舞い込む。ここで野村監督はベンチ前で平塚に指示をする。平塚は外角球を右へ運んでまず1点。佐々木が初球を詰まりながら左前適時打。さらに矢野もタイムリー。3点奪ってなお無死一、二塁の局面で、再び野村監督がベンチから出て川尻に指示をした。
バントしかないと予測して、思い切ったシフトを敷いた巨人に対して、野村監督が川尻に授けた策はバスター(バントの構えからのヒッティング)だった。初球を打って出ると、これが左前に転がった。以後はボークあり、今岡のタイムリーありで、一挙6点。森さんはいう。「2度ベンチから出たのは、相手ベンチへのけん制ではなく、選手を迷わず打席へ送り出すためだった。相手の出方を読んで試合を進めることが、いかに大切で流れを左右するか、を示したゲームだったね。完全な野村阪神の読み勝ちだった」。
この回、阪神は打者10人を送って、6安打を集めている。すべて単打だった。それでいて6点! 選手に浸透しつつある「つなぐ意識」が桑田をKOへと追いやったわけで、阪神とすればこれ以上はない攻めであった。「阪神の攻めは鮮やかだったね。だけど、桑田は調子が悪いときはかわす投球ができる投手なのに、なぜ直球主体のパターンにこだわったのか。野村監督への警戒心が乏しかった巨人ベンチの動きとともに不可解だった」と森さん。
135分の135と意気込んだ開幕戦は、圧倒的な戦力差を見せつけられて落とした。その悔しさをたった1日できれいサッパリと晴らした。ジョンソンに本塁打も出たし、ダメ押しもできた。不安な中で開幕を迎えた川尻も、持ち前のかわす投球で本領を発揮した。
シビアな目では定評のある森さんがポツリとつぶやいた。「確かに生まれ変わった阪神の姿を、今日は存分に見せてもらったね」。
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