星野ネバサレ野球2年目の結実へ


開幕1軍28人へまだ12人脱落

2軍からの浮上は困難

今年は優勝や

 この日、チームは大阪から安芸入り。一足お先に現地入りしようと関西空港に向かったら、27歳、虎番ルーキーの益子がいた。ところが一人ではない。奥さんとまだ10カ月の赤ちゃん、そして奥さんのお父さんまでが見送りに来ていた。これは、水さかずきの世界。「お前は北極にでも行く気か」。

 まあ、無理もない。1日の沖縄・宜野座キャンプ初日から取材している子連れルーキーは、チームとともに12日に帰阪。ひとまず会社に戻って寺尾デスクに散々怒られ、自宅に帰ったのは午前0時。それから9時間後には、もう自宅を出ていた。次の帰宅はまだまだ先。そこで「北極お見送りツアー」が急きょ、決まったらしい。

 ところが、家族の心配をよそに、益子は元気いっぱい。高知空港につくなり「高知と言えばこれっ」。いきなりカツオのたたき定食にかぶりつき、どんぶり飯をおかわりしてみせた。「益子は休ませんでええぞ」。早速、寺尾デスクに報告しておいた。

 益子が高知で出迎え準備に入ったころ、チームは大阪空港を出発。サバイバルの地・安芸を目指した。1次宜野座キャンプの陣容は投手18人、捕手4人、内野手10人、外野手6人で総勢38人。ここから伊良部が気管支炎で2軍落ちし、ベテランの広沢、八木がきょう一軍合流。「38―1+2=39」。開幕一軍は28人。「39―28=11」。伊良部は回復しだい戻ってくるので「11+1=12」。

 そんな数字を思い浮かべながら、阪神の宿舎を歩いていると、木戸2軍監督とばったり。「いよいよ、一、2軍の入れ替えが始まるシーズンですね」と問うと意外な答えが返ってきた。

 「うーん。そんなんは、あんまりないんとちゃうかなあ。今年の上(1軍)に、そんなに入っていけるもんやない。どうしても上げたい選手も今のところおれへんなあ」。

 オフの大補強で、阪神の戦力は昨年までと見違えるまでになった。それは1、2軍に格差がついたことも意味する。2軍から1軍という道が封鎖されたとしたら、残るのは2軍落ちの脱落ロードだけ。安芸キャンプからオープン戦へと続く死闘は「12」が重大な意味を持つ。

【運動部次長・榎並義朗】


2003年2月14日付紙面掲載 


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